ご存知ですか? 健診と検診の違い

単なる漢字の間違いではありません。健康状態を調べる「健診」と、特定の病気を早期発見するための「検診」です。自治体や職場、学校など、年1回の健診を受けることは、健康維持の必須条件ですね!

 

健診は一次予防、検診は二次予防になります

産業医として職場巡視している時に、廊下に「検診を受けましょう」というポスターを見つけました。この会社の衛生管理者(会社での健康を管理する担当者)は、非常に仕事熱心で、健康に関する情報を定期的に作成し、目の届きやすい廊下に掲示しております。いつもこの会社を訪問する際に、今日はどんな内容かな?と期待してポスターを拝見しています。今回は、検診を促すポスターでしたが、「うん?何の検診なのかな? 歯科検診? 検診をするって聞いてなかったけど…」と考えてしまいました。 

早速、一緒に巡視している衛生管理者に、「このポスターの検診って、何の検診ですか?」と尋ねると、「先生、先月の衛生委員会で、定期健康診断を行うと報告したじゃないですか? 今年も100%の受診率を目指すために、ポスター掲示しましょうって相談しましたよ」との答え。 

「ああ、なるほど。定期健診のことですね。では、検診という字が間違っていますよ。それなら、にんべんの健康の健の字ですよ。きへんの検査の検の字でしたので、勘違いしました」「え?両方とも同じ意味ではないんですか?」

「けんしん」と辞書でひくと、確かに健診と検診が出てきます。健診は健康診断の略であり、健康を診断するものです。会社で行う定期健診や、特定健診(特定健康診査)が主のものになります。肥満はないか、血圧は大丈夫かなど、体の全体的なチェックとなり、生活習慣を見直すことが目的ですので、一次予防の検査となります。 

 

血圧測定などの健康診断を略して「健診」です

一方、検診は検査することを目的にしているため、ガン検診(胃がん、大腸がん、肺がん、子宮がん、乳がん等)や、歯科検診など、特定の臓器を検査することを目的とした場合の検査を表します。予防医学的には、早期発見が目的ですから、二次予防の検査になります。 

健診…「健康診断」のこと。健康かどうか調べ、病気の危険因子を早く見つけることができる「一次予防」

検診…「がん検診」などのように、特定の病気を早期に発見して早期に治療するための「二次予防」

 

職場では0次予防の取組も

健診(健康診断)には幾つかの種類があります。

【特定健診・保健指導】…平成20年から始まった、いわゆるメタボ健診ですね。40歳から74歳までが対象です。

【職場での健診】…労働安全衛生法でその実施が定められ、事業主が費用を負担します。正社員だけでなく、非正規社員も1週間の所定労働時間が同種の業務を行う正社員の3/4以上となる場合は対象となります。

【学校での健診】…学校保健法で定められ、身長、体重、栄養状態、視力、聴力、目の疾患・耳鼻咽頭の疾患・皮膚疾患・心臓疾患などの有無などを調べます。

【人間ドック】…病院や健診センターで、身体各部位の検査を受けて、臓器の異常や病気の有無を調べる健康診断です。人間ドックは任意ですので、費用は自己負担になります。

病気予防のために健康診断は必ず受けましょう。

病気予防には次の3つがあります。

・一次予防 病気にならないようにする。生活習慣改善や予防接種など 

・二次予防 病気になってしまった人を早期発見・早期治療する。 

・三次予防 病気になってしまった人の後遺症の進行を防ぐ。リハビリ。 

最近では、病気にならないために、職場環境を整えることにより病気を予防する「0次予防」の考えも提案されています。 

「自分の健康は自分で守る」ために、健診(健康診断)は大切です。次回は、その健康診断のデータの見方について、少しお話しましょう。

【健検公式テキスト p120~】

 


勝木美佐子 (かつき・みさこ)

医学博士/産業医/労働衛生コンサルタント
日本大学医学部兼任講師、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本人間ドック学会社員、日本公衆衛生学会評議員、日本産業衛生学会指導医、人間ドック健診専門医・指導医他、複数の学会で座長も務める。臨床医として診療活動と共に、産業医の経験も豊富。2016年産業医事務所を開業する。

 


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