認知症予防は若いうちから行うと効果的!

 

アルツハイマー病の危険因子は運動不足、うつ病、喫煙、高血圧、肥満、糖尿病と言われています。その中でも危険度が最も高いのは「運動不足」、つまり身体不活動です。
脳血管性認知症の原因は動脈硬化であり、動脈硬化の危険因子になるのは脂質異常症、高血圧、糖尿病、喫煙などです。
これらの危険因子のうち、肥満、脂質異常症、高血圧および糖尿病は食事や運動などの生活習慣を改善することで、認知症予防の効果が期待できます。

2025年には5人に1人が認知症に?

日本では高齢化率27.3%(2016年)に達し、世界でも類を見ない超高齢社会に突入しました。
それに伴い2025年には認知症が増加し、5人に1人が認知症になると言われています認知症が増加すると、当然のことながら介護者の負担が増え、若者の労働力低下にも影響を及ぼします。
認知症は自らの生活習慣を見直し、身体活動の向上を図り、運動をすることで、認知症の予防もしくは認知症の発症を遅らせることが可能になります。
いつまでも若々しくありたいという願いは皮膚のたるみやシワなどといった外見に目が向きがちですが、それだけでは充分とは言えません。
脳の老化に対するアンチエイジングを叶えることは、自分自身のことだけでなく、家族や社会にとっても非常に重要なことでもあります。

軽度認知障害(MCI)400万人、早期発見で改善も? 

認知症とは著しい記憶力の低下が生じ、判断力などの認知機能が低下した状態を指します。
それによって社会的生活力の低下が生じ、すなわち介護なしでは一人で生活できなくなった状態のことです。
認知症の代表的な疾患には「アルツハイマー病」と「脳血管性認知症」があります。アルツハイマー病は老化が原因であり、老化を予防する生活習慣が重要になります。
脳血管性認知症は動脈硬化を背景にした脳血流の低下が主要な原因であり、動脈硬化を予防する生活習慣が重要になります。
一方、認知症発症の一歩手前の段階が軽度認知障害(MCI)であり、早期発見・早期予防の観点から注目されています。MCIは正常な加齢と認知症の境界領域であり、物忘れや加齢の影響だけでは説明できない記憶障害を認め、認知症ではないけれども年齢の割に認知機能の衰えが生じる状態です。日本ではMCIに該当する65歳以上の高齢者が約400万人いると言われています。
MCIは10〜15%が1年間に認知症に移行するとの報告があり、認知症予備群とも言われています。MCIの全てが認知症へ移行する訳ではなく、適切な予防をすることで正常に戻ることもあります。
したがってMCIを早期に発見し、早期に予防することが重要になります。

身体活動・運動を増やして認知症リスクを減らす

認知症予防のための効果的な運動は有酸素運動と言われています。その代表的なものとして、ウォーキング、サイクリングおよびダンスなどがあります。特にダンスは有酸素運動に加え、音楽やリズムに合わせて動きやステップを覚えたり、考えたりすることによって脳が活性化されます。
また、認知症予防の運動として、脳を使いながら運動する「デュアルタスク・トレーニング」は、有酸素運動と同時に頭を使う作業を行います。
具体的にはウォーキングやステップ運動と同時にしりとりや計算をして頭を使います。要は運動しながら頭を使って、脳を活性化する方法です。
運動の頻度は、週3回程度を継続して行うと効果が期待できます。運動は楽しく効果があるものでないと長続きはしません。家族や仲間と励ましあいながら、効果を実感しながら行うことが運動を習慣化する鍵と言えます。
認知症予防は認知症になる前からのリスクを減らすことが肝心です。若いうちから、生活スタイルの改善とともに、身体活動と脳トレーニングを実践することが健康増進につながります。

【公式テキストp150「脳を使いながら体を動かすと効果的」参照】

飛永 敬志(とびなが たかし)

理学療法士/鍼灸・あん摩マッサージ指圧師/介護支援専門員
早稲田大学大学院スポーツ科学研究科(介護予防マネージメントコース)卒業。獨協医科大学越谷病院リハビリテーションセンター副主任、早稲田大学大学院エルダリー・ヘルス研究所招聘研究員。専門理学療法士(運動器)として、主に運動器疾患を有する患者の身体機能とQOLの向上を目指して、臨床・教育・研究に従事。学会発表・論文投稿多数。趣味はマラソン


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