インフルエンザと風邪はウイルスが違います

 

寒暖の差が激しくなり、空気も乾燥してきました。
インフルエンザが発症しやすい季節の到来です。
今年は早くもインフルエンザで学級閉鎖をしている学校もでております。
今回は、インフルエンザの予防についてお話します。

3つの予防方法で「ひかない・うつさない」

 

インフルエンザの予防には、3つの方法があります。
1つ目は、インフルエンザが流行する前に、インフルエンザワクチンを接種すること。集団検疫の観点から、できるだけ多くの方に接種してもらいたいと思います。
2つ目の予防方法は、流行時期には電車の中など、大勢の人がいるところではマスクを着用し、外出先から帰ったら、手洗い、うがいをすること。ラッシュアワーの電車の中で、目の前にいる人がくしゃみをされたら、避けようもありませんよね。
3つ目の予防方法。それは、自分がインフルエンザにかかってしまった場合、他の人にうつさないようにする方法です。突然の高熱(38度以上)、悪寒(ブルブル震える)、関節痛(体の節々が痛い)、頭痛などの症状がでたら、無理して会社や学校へ行くのは禁物です。インフルエンザの流行の時期にこのような症状が出た場合は、自宅近くの病院へ行き、インフルエンザの検査をしましょう。インフルエンザの検査は、鼻の穴に綿棒のようなものを入れて鼻水を採取し、試験薬で判定します。時間はわずか10分程度で判明します。

高熱でも、仕事が残っているから休めないと、無理して会社に来る方がいます。
顔が真っ赤でだるそうにしていると、周りの人も心配になりますよね。
仕事が忙しいので、休むとみんなに迷惑がかかると思うのでしょうが、インフルエンザでも出社し、周囲の人にうつしてしまう方がダメージが大きいものです。
ぜひ、通勤・通学をする前に、自宅近くの医療機関で受診してください。
そして、インフルエンザと診断されたら、学校や会社を休んで、しっかり治療をしてくださいね。
児童や学生さんの場合には、学校保健安全法施行規則により、「発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日経過するまで」出席停止になります。会社勤めの方の場合は、会社ごとに就業規則がありますので、電話で上司や総務に確認をしてみてください。

 

 

まずは手洗いとうがいです

 

産業医先では、時々「インフルエンザワクチンをうったから、今年は風邪をひかない」や、「なんでワクチンを打ったのに、インフルエンザになってしまったんだ」という声が聞かれます。
この二つ、間違っているんです。
インフルエンザと風邪はそもそもウイルスが異なります。
インフルエンザはいわずと知れたインフルエンザウイルスです。A型とB型があります。(C型もありますが、臨床的にはA型とB型が重要です。)
風邪は、ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、アデノウイルスなどなど。
ウイルスが異なるので、インフルエンザワクチンでは、これらのウイルスの予防は出来ません。
また、ワクチンを打ったのに、インフルエンザにかかってしまうこともあります。ワクチンの効果として、65歳以上の健常な高齢者については約45%の発病を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があったとされています。発病抑制効果より重症化抑制のほうがより効果が強いのです。ですから、ワクチンを接種していてもインフルエンザにかかってしまうことがありますので、やはり手洗い、うがいを励行してほしいです。

 

[公式テキストP.186【毎日の生活から予防する」]

 


 

勝木美佐子 (かつき・みさこ)

医学博士/産業医/労働衛生コンサルタント
日本大学医学部兼任講師、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本人間ドック学会社員、日本公衆衛生学会評議員、日本産業衛生学会指導医、人間ドック健診専門医・指導医他、複数の学会で座長も務める。臨床医として診療活動と共に、産業医の経験も豊富。2016年産業医事務所を開業する。

 


 

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