海外旅行や観光客から感染? 麻しん・風しん予防

 

観光客として他国を訪れる場合だけでなく、麻しん(はしか)・風しん(三日はしか)に罹患した観光客が日本に訪れる場合もあります。沖縄において、3月下旬に麻しんの観光客が訪れて以来、0歳から50歳代の100名を超える患者さんが沖縄県を中心に報告されています(平成30年5月1日現在)。海外旅行に行かれる方も最近増えていますね。海外旅行の際に注意したいのが、麻しん、風しんなどの感染症です。

 

ワクチン接種(予防注射)が唯一の予防法

麻しんは、感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。2~3日熱が続いたあと、39℃以上の高熱と発疹が出現します。麻しんウイルスは空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへとうつり、感染力はほぼ100%です。

そのため、手洗い、マスクのみでは予防はできません。
麻しんの予防注射が唯一の予防方法ですし、万が一麻しんの患者さんに接触した場合、72時間以内に麻しんワクチンを接種することも効果的です。

 

風しんの90%は成人で、男性は女性の3倍多く感染

麻しんほど症状が強くないものの、風しんも注意すべき感染症です。2012~2013年にかけて、大規模な流行となり、2年間で16,000人を超える全国流行となりました。約90%が成人で、男性が女性の約3倍多くかかりました。先天性風しん症候群の赤ちゃんも45人(例年は0~1人)診断されました。この先天性風しん症候群とは、妊婦、妊娠20週ごろまで(とくに妊娠初期)の女性が風しんにかかることにより、胎児も風しんウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、精神や身体の発達の遅れ等の障害をもって生まれる赤ちゃんのことを言います。

 

医療機関で抗体価測定(抗体検査)ができます

麻しん・風しんともに感染を防ぐ方法は、ワクチン接種のみです。現在、麻しんの流行に伴い、麻しんワクチン接種希望者が増えているため、ワクチンが不足しております。我が国では、麻しん風しん混合(MR)ワクチンの定期接種をしており、麻しんのみのワクチンを大量に製造しておりません。風しん予防にも効果的ですので、麻しん風しん混合(MR)ワクチン接種をお勧めします。
また、自治体では、麻しん風しん混合(MR)ワクチン接種や抗体価測定の助成を行っています。お住いの各自治体に確認してみましょう。

麻しん、風しんともに、流行は春先から初夏にかけて多く見られます。まさにこれからの季節ですね。
2020年に東京オリンピックの時には、色々な国の人たちが訪れてきます。感染症を東京で流行らせないためにも、抗体価の確認や予防接種を行いましょう。

※ワクチン接種、「抗体価測定(抗体検査)」費用は医療機関や自治体により違いますのでご確認ください。

【公式テキスト p186「気をつけたい感染症」参照】

 

 


 

勝木美佐子 (かつき・みさこ)

医学博士/産業医/労働衛生コンサルタント/産業医かつき虎ノ門事務所代表
日本大学医学部兼任講師、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本公衆衛生学会評議員、日本産業衛生学会指導医、社会医学系専門医協会指導医、人間ドック健診専門医・指導医、日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会専門医他、複数の学会で座長も務める。臨床医と共に産業医の経験も豊富で、
専門書籍に「今さら聞けない産業衛生のきほん」連載中、他著書あり。

 


 

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