おとなの「むし歯」、全身疾患と「歯周病」

 

おとなになったらむし歯にならいと思う人がたくさんいるかもしれません。大人の歯は子供の歯よりも虫歯になりにくいし、大人の歯も生えはじめよりは生えてから2年以上たった方がエナメル質の結晶が完成するので虫歯になりにくくなります。
しかし虫歯は神経に到達すれば痛みを伴い、うっとうしいものです。できれば歯科医院に治療に行くのも避けたいものです。また治療が終わったら治ったと思うかもしれませんが、治ったのではなく中古車の修理が終わったと言った方がいいように思います。

むし歯の予防はこどもだけではありません

では、どうしたらむし歯にならないのでしょうか。

○生活習慣病としての側面
口の中に食べ物が入るとPHが下がります。PH5.5以下になると歯のエナメル質が溶け始めます。従って口の中にものが入る時間をできるだけ減らすことが大切です。だらだら食いを避けて3回の食事、2回までのおやつを守ってください。

○感染症としての側面
ミュータンス菌、ラクトバチルス菌が口の中に沢山いるほどむし歯になりやすくなります。ですから機会的にプラークを落とす歯磨きが必要になってきます。毎食後の歯磨き、それに歯科医院で通常では磨きにくい場所の歯のクリーニングが効果的です。

○歯質の強化
フッ素入りの歯磨材を使って歯を磨いてください。フッ素は毎日少しずつ取り入れる事が大切です。歯を磨いた後で口をゆすぐのは1回か2回にして歯磨き粉を少し残すほうがフッ素が残りより効果的です。

○キシリトールの使用
キシリトールはミュータンス菌の悪玉菌を減らし、善玉菌を増やす作用があります。また酸性に傾いた口の中を速やかに中性に戻す働きがあります。毎食後キシリトールを摂取すればカリエスリスクは減少します。

○歯科医院の検診
むし歯になってから歯科医院に行くと歯を削られてしまいます。歯科医院にはむし歯になる前に定期的に行って口の中を管理してもらってください。小さな虫歯は削らす一定期間経過を追いひどくなるようなら治療してもらってください。少なくとも定期的に通えば神経を取る治療はほとんどなくなり治療回数も1,2回で済みます。

糖尿病や感染症、生活習慣病としての歯周病

歯周病はゆっくり進行し気がついたときには歯を支える歯槽骨が吸収し咬むたびに歯が動いてしまい物を咬みづらくなる病気です。また歯茎に炎症がおこり、時には腫れたり痛みを伴うこともあります。
歯槽骨が吸収するために見た目も悪くなり歯が移動し歯並びが悪くなることもあります。また歯周ポケットに偏性嫌気性菌 (酸素があると死んでしまう菌)が繁殖することによる口臭がしてきます。

では、どうしたら歯周病にならないのでしょうか?

○感染症としての側面
歯周病菌はどこから来るのでしょうか?歯周病菌は夫婦間(パートナー間)からの感染だと言われています。したがって歯周病の、予防、治療を歯科医院で受けるときにはご自分のパートナーも伴って同時に治療を受ける事が大切です。

○全身疾患と歯周病
糖尿病の6番目の合併症は歯周病です。糖尿病は歯周病を悪化させ、歯周病は糖尿病を悪化します。血糖値のコントロールと歯周病の治療は同時に行わないといい効果は表れません。糖尿病と診断されたら歯科医院へもぜひ足を運んでください。

○生活習慣病としての歯周病
タバコは歯周病のリスク因子です。私は20代の人にはできるだけやめるように話しますが年をとればとるほど禁煙は難しいように思います。歯を取るのかタバコを取るのか?個人の価値観かもしれません。

○歯科医院の検診
歯ブラシがうまく当たらないとプラークが歯石を形成します。するとさらにプラークがたまりやすくなり細菌が歯周ポケットに侵入します。その前に定期的に歯科医院で検診を受け歯石を除去してもらってください。

○セルフケア
何といっても一番大切なのはご自身の管理です。歯周病菌は歯肉縁上のプラークからポケットに侵入します。その前に歯ブラシで歯の最近の除去ができれば歯周病菌がポケット内に侵入することはありません。

○歯ブラシ
歯ブラシは基本的な形のもので小さめのものを使い時間をかけて磨いてください。歯磨き粉を付けないでテレビを見ている時間に磨くのも長時間磨けて効果的です。また歯間ブラシが入るところは毎回使って磨いてください。

 

【公式テキストp170~「歯の二大疾患」】

小池 匠(こいけ・たくみ)

歯科医師/こいけ歯科医院院長

鶴見大学歯学部卒業後、日本大学歯学部で新人研修、川崎市中原区で開業中。
フィンランドトゥルク大学歯学部 国際予防歯科研究所IIPD終了。
青山大学文学部にて教育学で学士取得、早稲田大学大学院スポーツ医歯学分野で修士取得。
NPO法人アジア母子福祉協会常務理事。柔道4段。

 


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