骨粗しょう症予防に三ヶ日みかん 生鮮食品の機能性表示

皆さんに分かり易いように、コレステロールを「善玉」・「悪玉」の名称を作って説明したり、赤ワインのポリフェノールを広めた板倉弘重先生。今も臨床医としてご活躍の板倉先生にお話を聞いてみました。

2015年4月に生鮮食品初の「機能性表示食品」に認められた三ヶ日みかん。この三ヶ日みかんに含まれる「β―クリプトキサンチン」には骨粗しょう症のリスクを軽減する効果がある。

 

温州みかんに多いβークリプトキサンチンは骨粗しょう症のリスクを軽減             

2015年4月に施行された機能性表示食品制度において、全国ブランドでもある静岡の三ケ日みかんが生鮮食品初の「機能性表示食品」に認められ、全国のみかん産地に先駆けての効能表示をしてから1年余りが経ちました。
三ヶ日みかんに含まれる色素「β―クリプトキサンチン」には、骨粗しょう症のリスクを軽減する効果があるとされ(対象者:健康な男女)、静岡県内では浜松医大と国立研究機関の農研機構果樹研究所カンキツ研究興津拠点(静岡市清水区)などが、2003年から旧三ケ日町の住民を対象に、みかんと健康の関係を探る疫学調査を実施しました。
みかんをよく食べる人は、あまり食べない人より骨粗しょう症の発症率が低いなどのデータが得られています。β−クリプトキサンチンは温州みかんに多く含まれ、強い抗酸化作用があるため、骨粗しょう症予防に効能があるといわれる所以です。

 

店頭に並ぶ温州みかんβ−クリプトキサンチンは骨粗しょう症の予防に

 

消費者庁の認可による新たな「機能性表示食品」を賢く活用しましょう                                

これまでは国の審査が必要な「特定保健用食品(トクホ)」と、国の規格基準に適合した「栄養機能食品」だけでしたが、新たに2015年4月「機能性表示食品」が加わりました。

果物店やスーパーマーケット等でも良く見かける、身近な果物のみかんが、機能性を表示できる保健機能食品となったのは、三ヶ日みかんの検証データを元に、消費者庁に届出をして、「機能性表示食品」として受理されましたからです。
機能性表示食品」とは「特定保健用食品(トクホ)」等とは異なり、生鮮食品やサプリメントなどを含む食品全般を対象とし、各種臨床データを元に安全性と機能性の根拠に関する情報などを明記した上で、消費者庁長官宛てに事業者の責任において届出申請をし、受理されたのちに、商品パッケージのよく見える場所に「機能性表示食品」と明示した上で機能性を表示する事が出来ます。
(消費者庁食品表示一覧HP参照:http://www.caa.go.jp/foods/todoke_1-100.html)    
認可の方法については、エビデンス(科学的根拠)などの課題も議論されていますが、消費者の賢い選択が大切で、上手に活用しましょう。

 

閉経により骨密度が低下する女性に最適の果物

さて、この三ヶ日みかん。温州みかんと呼ばれる種類のもので、一般に多く流通しているお馴染みのものです。摂取量や食べ方は「一日当たり可食部270グラム(約3個)が目安」となっており、そんなに無理をせずとも気軽に美味しく食べる事が出来そうです。

消費者庁の公開データによると「三ヶ日みかんにはβ‐クリプトキサンチンが含まれています。β‐クリプトキサンチンは骨代謝の働きを助けることにより、骨の健康に役立つことが報告されています」と表記されているように、この「β-クリプトキサンチン」とは、温州みかんに特徴的に多く含まれるカロテノイド色素であることから、その摂取により女性に多い骨粗しょう症の予防や、健康な骨の維持・形成に有用である可能性が農研機構・果樹研究所の調査により示唆されました。

骨粗しょう症は男性にもみられますが、閉経による女性ホルモンの分泌低下が骨密度を低下させるため、特に年齢を重ねた女性に多く顕現します。またこうした生理的な体の変化に加え、遺伝的要因やカルシウム、ビタミンD、タンパク質などの栄養不良、体を動かさずに過ごすといった生活習慣も、骨粗しょう症の発症に大きく関係していることが分かっています。

こうした事から毎日少しずつでも、ウォーキングやラジオ体操などで体を動かし、三ヶ日みかんを食べてβ‐クリプトキサンチンを摂取することにより、“健康寿命を延ばす”ことができそうです。
さらに、その他の「機能性表示食品」も上手に活用してください。

【健検公式テキスト参照p48~】


板倉弘重(いたくら・ひろしげ)

内科医/認定臨床栄養指導医 医学博士
2009年度国際栄養学連合のFellow認定(栄養学研究分野で貢献をした世界研究者10名の1人)。2010年日本栄養・食糧学会功労賞を受賞。東京大学医学部卒、カリフォルニア大学留学、国立健康・栄養研究所臨床栄養部長、リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授。日本臨床栄養学会理事長他、多数歴任。


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