フレイル(虚弱)の予防にレジスタンス運動

Frailtyの日本語訳で、加齢に伴って要介護のリスクが高くなることですが、再び健常な状態に戻すことは可能です。フレイルの予防は早期から始めるのが肝心。まずはフレイルについての知識を理解しましょう!

 

死亡につながるフレイル 後期高齢者の要介護原因1

フレイルとは老化に伴い身体の予備能が低下し、健康障害を起こしやすくなった状態のことです。健常と要介護の中間的な状態で、要介護に移行するリスクが高い一方、適切なケアによって健常な状態へと戻ることが可能と言われています。フレイルの有病率は10%程度ですが、死亡や要介護に移行する割合が高く、早期に発見し、早期に介入する必要があります。

75歳以上の後期高齢者における要介護の原因の1位はフレイルであり、加齢はフレイルの極めて重要な要因です。最近注目されている筋力や筋量が低下した状態「サルコペニア」は、フレイルの原因の一つでもあります。
さらに糖尿病や心不全などの心疾患や慢性閉塞性肺疾患(COPD)を有する方は要注意です。
フレイルは筋力低下や活動の低下などの身体機能が低下した状態だけにとどまりません。意欲や認知機能の低下した「精神的フレイル」、独居や閉じこもりによって生じる「社会的フレイル」などの多面的な要素が含まれます。

 

フレイルの発見方法は?

ここでは代表的な2つの方法をご紹介します。

【Friedらによる尺度】

 ①体重減少

 ②活力減少

 ③活動度減少

 ④握力低下

 ⑤歩行速度低下

※3項目以上該当でフレイル、1〜2項目該当でプレフレイルと判定

 

【フレイルインデックス】

 ①体重減少

  □6ヶ月間で2〜3kgの体重減少がありましたか?

 ②活力減少

  □(ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする。

 ③活動度減少

  □ウォーキングなどの運動を週に1回以上していますか?

 ④記憶力低下

  □5分前のことが思い出せますか?

 ⑤自覚的歩行速度低下

  □以前に比べて歩く速度が遅くなってきたと思いますか?

※3項目以上該当でフレイル、1〜2項目該当でプレフレイルと判定

 

フレイルの予防法は運動+栄養と社会参加です

フレイルの予防には、運動と栄養の2つが非常に大切です。
運動に関しては、有酸素運動のみでなく、レジスタンス運動(筋トレ)を行うことが重要です。実施頻度と期間は週2〜3回、3ヶ月間継続することをお勧めします。この場合、軽い負荷でも回数を増やせば、効果があると言われています。
レジスタンス運動とは局所、あるいは全身の筋群に負荷(抵抗)を与え、筋力、筋パワー、筋持久力といった骨格筋機能の向上に主眼をおくトレーニング手段の総称と定義されています。 

栄養に関しては、たんぱく質が筋肉の元になる栄養素なので、非常に重要です。たんぱく質は肉や魚、大豆、牛乳などに多く含まれています。運動にたんぱく質やアミノ酸などの栄養を併用することによって、骨格筋量や筋力が改善することが示されています。運動と栄養の単独ではなく、運動と栄養を組み合わせることで大きな効果が期待できます。

フレイルは早期に発見し、運動と栄養の併用で、健康な状態に十分な改善が見込めます。また運動、栄養以外にも積極的に社会に参加をすることで、閉じこもりがちな生活をしないことがフレイル予防につながります。あなたの生活習慣を見直してみましょう。

 

【公式テキストp144「高齢者の低栄養を防ぐ」参照】

 

飛永 敬志(とびなが たかし)

理学療法士/鍼灸・あん摩マッサージ指圧師/介護支援専門員
早稲田大学大学院スポーツ科学研究科(介護予防マネージメントコース)卒業。
獨協医科大学埼玉医療センターリハビリテーションセンター副主任、早稲田大学大学院エルダリー・ヘルス研究所招聘研究員。専門理学療法士(運動器)として、主に運動器疾患を有する患者の身体機能とQOLの向上を目指して、臨床・教育・研究に従事。学会発表・論文投稿多数。趣味はマラソン


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