若いうちから始めたい骨粗しょう症の予防

 

骨粗しょう症は骨がスカスカになり、骨が脆くなる病気です。骨粗しょう症になると、転倒や些細なことで骨折を引き起こし、ロコモの原因になります。ロコモの推定患者数は4,700万人で、そのうち骨粗しょう症患者数は1,280万人ともいわれています。

骨は新陳代謝により常に新しく造られる

骨は破骨細胞と骨芽細胞によって、新陳代謝を繰り返しながら常に新しく造り替えられています。破骨細胞は骨吸収(古い骨細胞が壊される)、骨芽細胞は骨形成(新しい骨細胞が造られること)を行います。破骨細胞と骨芽細胞がバランスよく働くことで、新陳代謝がスムーズに行われ、骨は丈夫に保たれています。しかしながら骨吸収と骨形成のバランスが乱れることによって、骨がスカスカな状態に陥り、骨が脆くなります。

骨粗しょう症を予防するためには、若いうちからの生活習慣が非常に重要になります。予防法にはカルシウムやビタミンD・K、たんぱく質を中心とした栄養(食習慣)と、運動といった生活習慣になります。今回は骨粗しょう症予防のための運動に焦点をあてていきます。

骨粗しょう症に対する運動の効果

運動により骨に適度な負荷がかかると、骨密度が高くなり、骨粗しょう予防につながります。逆に運動をしないで骨に負荷をかけないと骨密度が低下して骨が脆くなります。その一例として、入院中の寝たきりの状態や無重力で過ごす宇宙飛行士などは、骨密度が急激に低下することが知られています。また若いうちから運動をしていると骨粗しょう症の予防に有効で、過去の運動習慣は骨密度に影響することが知られています。スポーツ選手は骨密度が一般の方よりも高いといわれています。

 

 

 

骨に衝撃を与えるHigh impactな運動がおすすめです!

骨粗しょう症予防に有効な運動は骨に反復して衝撃を与えるHigh impactな運動です。例えば、ジャンプやジョギングやウォーキングやエアロビクスなどです。膝や腰に痛みがある方は無理しないでください。

またその他の方法として、開眼片足立ちに代表されるバランストレーニングやレジスタンストレーニングです。開眼片足立ちは片足にすべての体重負荷が骨にかかることで、骨密度を高くする効果が期待できます。またバランス能力が向上することで転倒予防にもなります。一方、レジスタンストレーニングは筋肉への刺激だけでなく、筋肉は腱を介して骨に付着しているので骨に強い刺激が加わるために筋力増強効果だけでなく、骨の強化にも効果的といえます。

普段、お仕事されている方は、職場でエレベーターを使用しないで階段の上り下りを取り入れるなど、日常生活の中でできるだけ運動量を増やしましょう。家事に追われている主婦の方は掃除、買い物や調理動作などは骨粗しょう症予防に効果的な運動なので、健康のためにも続けてください。運動を継続するためには、ライフワークに合わせて、膝や腰に負担のかからない範囲で体の状態にあわせて無理なく続けることが大切です。

骨粗しょう症は女性ホルモンと加齢が大きく関与しているので、60代から急激に増加します。特に女性は骨粗しょう症の予防を早い段階から始めることが必要です。

【公式テキスト p167「骨粗鬆症になると骨折しやすくなる」参照】

 

飛永 敬志(とびなが たかし)

理学療法士/鍼灸・あん摩マッサージ指圧師/介護支援専門員
早稲田大学大学院スポーツ科学研究科(介護予防マネージメントコース)卒業。
獨協医科大学埼玉医療センターリハビリテーションセンター副主任、早稲田大学大学院エルダリー・ヘルス研究所招聘研究員。専門理学療法士(運動器)として、主に運動器疾患を有する患者の身体機能とQOLの向上を目指して、臨床・教育・研究に従事。学会発表・論文投稿多数。趣味はマラソン。

 

 


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