辻ウェルネスクッキングあべのハルカス校校長 辻ヒロミ先生の連載コラム『家族の健康は家庭料理から』Vol.1
お腹はいっぱい、でも栄養不足?「幸せホルモン」とミネラルの深い関係

こんにちは、大阪で料理講師をしている管理栄養士・調理師の辻ヒロミです。
このコラムでは、“家族の健康は家庭料理から”をモットーに100年以上の歴史を持つ料理家系の5代目として、日々の食事でできる健康づくりをお伝えしていきます。
「しっかり食べているはずなのに、なぜか疲れが取れない」
日本健康マスター検定も10周年を迎え、ヘルスリテラシーは高まってまいりましたが、食を取り巻く環境はさらに複雑化しています。5月に増えるメンタルの不調、いわゆる「五月病」対策として、今こそ見直したいのが、心の安定を支える「ミネラルの質」です。
現代人に忍び寄る「見えない栄養欠乏」
心を穏やかに保つ脳内物質「セロトニン(幸せホルモン)」の合成には、材料となるアミノ酸(トリプトファン)だけでなく、ビタミンB6や鉄、マグネシウム、亜鉛といった補酵素・補助因子が鍵を握っています。
*私たちが食べているたんぱく質は、体内でアミノ酸に分解されその一つ「トリプトファン」がセロトニンの材料になります。
しかし近年、中食(お惣菜・お弁当)や外食のミネラル分が、家庭料理に比べ減少している可能性が指摘されています。一因は、衛生管理や見た目の維持のための徹底した「水洗い」や「下ゆで」。水溶性のマグネシウムやカリウムが流出し、カロリーは足りても微量栄養素が不足する「新型栄養失調」を招きやすくなっています。
管理栄養士が教える、5月の「メンタル栄養学」
セロトニンを効率よく作る鍵は朝食です。たんぱく質摂取は定説ですが、それだけでは不十分。ミネラルという「着火剤」があってこそ、心を守るホルモンは合成されます。特に加工食品に含まれる添加物「リン酸塩」は亜鉛や鉄の吸収を妨げるため、意識的なリカバリーが求められます。
5分で完成!管理栄養士推奨「ミネラルふりかけ」
忙しい朝に複雑な調理は不要。ミネラルを「失わずに足す」最強のストックです。

**【材料(作りやすい分量)】**
– しらす干し:30g
– かつお節(小袋):2パック
– すりごま:大さじ2
– 塩昆布または海苔:適量
– (お好みで)アーモンドフィッシュを砕いたもの
保存容器で混ぜるだけ。乾物は調理工程での栄養流出が少なく、まさに「ミネラルの宝庫」。ご飯・納豆・サラダにかけるだけで、微量ミネラルのベースを底上げできます。
完璧を目指さなくても大丈夫。
中食や外食も上手に使いながら、足らないものを「ちょっと補う」。
そんなふうに視点を変えるだけで、体も心も変わっていきます。
今日からできる小さな一歩で、5月の爽やかな季節にふさわしい、しなやかな自分を育てていきましょう。
まずはほんの少し意識を変えることから、はじめてみませんか?
辻ヒロミ(つじ・ひろみ)

管理栄養士、調理師/辻ウェルネスクッキングあべのハルカス校校長。
家庭料理からフレンチ、宇宙食まで研究開発を行う。テレビ出演も多く、BSイレブンで放映した「ヘレンケラーが愛した日本」では、祖父がヘレンケラーをもてなしたブルーバードディナーを再現し、話題となる。
また、「世界に通用する宇宙食」でNBKニュービジネスアワード2019優秀賞を受賞。2016年から「世界親と子のクッキング大賞」常任審査員就任。その他、レシピ開発・監修、多くの料理コンテストの審査員歴任。
2025大阪関西万博では、オーストラリア館の特別イベントにてガストロノミークッキングシェフを務める。

