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免疫力低下で帯状疱疹のリスクが高まる

実際の医療現場に従事されている皆さまに執筆いただき、健康に役立つコラムを展開しています。コラムカテゴリは健康マスター検定の公式テキストカテゴリーに揃えています。
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免疫力低下で帯状疱疹のリスクが高まる

 

免疫力が低下するとリスクが高まる帯状疱疹。コロナ感染による免疫力低下との関係データも報告されています。予防として50歳以上の人にはワクチン接種があります。バランス良い食生活や運動、睡眠など健康管理を心がけましょう。

帯状疱疹 写真引用:社団法人 日本皮膚科学会より

■帯状疱疹は誰でもなる?

帯状疱疹は子供のころに水疱瘡に感染した際に神経に潜伏し、何かしらの誘因によってウィルスが再活性化することにより発症します。
80歳までに3人に1人が発症すると言われ、日本人成人の90%以上は、このウィルスが潜伏しており、帯状疱疹を発症する可能性があります。帯状疱疹が再活性化する誘因として糖尿病や過労、ストレス、悪性腫瘍(がん)による免疫低下、術後や放射線治療後などに起こりやすいです。私は心臓血管外科勤務しており、心臓手術の後に発症する方が多くあります。

引用:NHK健康チャンネル

■赤い発疹や痛みの症状

通常左右片側の疼痛や知覚異常、痒みが数日~1週間続きその部位に紅斑と言われる赤い発疹が出現します。やがてその紅斑に水疱を形成し約1週間かけて拡大し破れて潰瘍やびらんになる。時間の経過とともにかさぶたになり発症から約3週間で通常は治癒していく。私の92歳の祖母が先日なった際は、約1か月治癒までかかりました。

主な合併症に帯状疱疹後神経痛(PHN)という帯状疱疹後に3か月以上疼痛が続くものがあります。ひりひり焼けるような痛みやずきずき疼くような痛みであると患者さんは表現することが多いです。

引用:NHK健康チャンネル

 

■コロナcovid19との関連は?

新型コロナウイルスに感染すると免疫低下をきたすことが多く、感染後に帯状疱疹を発症する患者が多く見受けられます。アメリカの大規模研究においても50歳以上の成人において新型コロナウイルス感染後の帯状疱疹発症報告が多いというデータがあります。

 

■早期の治療と予防方法

治療は紅斑が出現して3日以内に抗ウィルス薬を投与することで改善します。また重症な場合は入院して抗ウィルス薬の静脈点滴を受ける必要があります。

しかし、新型コロナウイルスで病院の病床はひっ迫しており、なかなか入院や受診することが出来ず重症化してしまうケースが多いのが現状です。

 

帯状疱疹には効果的に予防できるワクチンは2種類あり、生ワクチンと不活化ワクチンがあります。

生ワクチン:接種回数1回 費用は4000円~6000円/回

不活化ワクチン:接種回数2回 費用は18000円~25000円/回

効果は発症予防50歳以上97.2%、 70歳以上89.8%、帯状疱疹後神経痛予防効果 50歳以上100%、 70歳以上85.5%です。

また、ワクチン接種に対する助成金が各地方自治体で行われているため、負担は軽減します。不活化ワクチンは2回接種と手間がかかりますが予防効果が高く発症した際の激しい疼痛による日常生活への支障、入院を強いられ健康寿命を損なうと考えた際にワクチン接種のメリットのほうがはるかに大きいと思いますので、セミナーでも推奨しています。

 

<参考・引用>

早めに対処 帯状疱疹(ほうしん)の症状チェック・治療のポイント | NHK健康チャンネル

帯状疱疹(たいじょうほうしん)について | 国立がん研究センター 東病院 (ncc.go.jp)

帯状疱疹予防.jp|帯状疱疹の原因から症状・予防について (taijouhoushin-yobou.jp)

ヘルペスと帯状疱疹 Q11 – 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会) (dermatol.or.jp)

「帯状疱疹」コロナ禍で増えてる?症状・接種との関係は? | NHK | News Up | 医療

 


田中 亮 (たなか りょう)

 

看護師/介護福祉士/認知症ケア専門士

健康マスター普及認定講師推進リーダー ・メディカル会代表。埼玉県内の総合病院に勤務の傍ら、最新の医学論文を読み解き、日々facebookを中心に健康情報を発信中。フレンド登録数は4000人を超えている。