MENU

CLOSE

最高に賢い歯科治療とは? むし歯予防は何時から…

実際の医療現場に従事されている皆さまに執筆いただき、健康に役立つコラムを展開しています。コラムカテゴリは健康マスター検定の公式テキストカテゴリーに揃えています。
公式テキストと照らしあわせていただくことで、幅広い学習をしていただけます

最高に賢い歯科治療とは? むし歯予防は何時から…

 

皆様はどんな歯科治療を受けたら満足していただけるでしょうか?白いセラミックを入れる?審美歯科?ホワイトニングでしょうか?私が考える最高の歯科治療とは患者さんが成人するまで、私が1本の歯も削らなければ成功だと考えています。それではどうしたら成人するまで1本の歯も削らずに済むのでしょうか?

 

子供のむし歯予防は何歳から?

1歳、2歳、3歳?歯が生えてから?いろんな意見があるかと思いますが、正解は母親が妊娠したらスタートです。つまり胎児の時がむし歯予防のスタートになります。歯の多い母親から生まれた子供はむし歯ができやすいからです。まず母親にむし歯があれば治療を勧めます。またその後の母親のむし歯予防処置も行っていきます。

では、なぜ母親のむし歯予防処置がこどものむし歯予防につながるのでしょうか?

母親はこどもに離乳食を与えるときに同じスプーンを使うことも多いかと思います。母親にむし歯菌(主にミュータンス菌)が多いとそのときに母親からこどもにミュータンス菌が感染します。ミュータンス菌が多いこどもはむし歯になりやすいのです。ミュータンス菌が感染しなければむし歯になりにくいこどもに育てることができます。

むし歯の最初の予防処置は?

皆様は歯ブラシの指導や甘い物の制限フッ素の塗布を思い出すかもしれません。しかしむし歯の1次予防は教育なのです。歯科医師がいい教師であればむし歯を減らすことができます。こどもに離乳食を与える際には同じずスプーンを使わないように話すだけでむし歯は減ります。

 

 

 

 

むし歯のない子に育てるその他の注意点

砂糖を含んだ食品を食べると口の中のPHが下がり、歯のエナメル質が溶けだします。その後、約40分後に中性に戻っていきます。つまり同じ量の砂糖を食べても回数が少なければむし歯にはなりにくく、回数が多いとむし歯になりやすくなります。砂糖の総量ではなく食べ方でむし歯になりやすくなったりなりにくかったりします。

<むし歯リスクを減らす方法>

1.砂糖の制限はしないが口の中にもの(飲み物含む)が入る回数を減らす。

2.毎食後の歯ブラシとフッ素入り歯磨き粉の使用。

3.かかりつけの歯科医院での定期健診。

4.歯ブラシが無い時にはキシリトールガム、タブレットの食後の使用。

以上を複合的に行いむし歯のリスクを発症しない程度まで減らしていくことが大切です。

 

日本健康マスター検定公式テキスト p170「むし歯を予防する】

 


小池 匠(こいけ・たくみ)

歯科医師/こいけ歯科医院院長

鶴見大学歯学部卒業後、日本大学歯学部で新人研修、川崎市中原区で開業中。
フィンランドトゥルク大学歯学部 国際予防歯科研究所IIPD終了。
青山大学文学部にて教育学で学士取得、早稲田大学大学院スポーツ医歯学分野で修士取得。
NPO法人アジア母子福祉協会常務理事。柔道4段。