暑い季節は冷たい食事だけになっていませんか?
猛暑が続くと食べたくなるのは、やはりアイスクリームや素麺のような冷たく、手軽なものばかりではないですか?たまにだといいのですが、次の日も、また次の日もと続けているとカラダが冷え、胃腸の機能などが弱ってしまうことにより、栄養の吸収が悪くなることから食欲不振を起こしてしまいます。
異国の食文化も同じ? 熱帯地方では冷たいものを控えます
インドや中東などは、夏の最高気温40〜50度を超える真夏日が続く暑い国です。熱帯地方に暮らす人の食文化も同じでしょうか?実は、あまり知られていませんが冷たいものを控えている人が多いです。保存方法など文化の違いもありますが、カラダを冷やしすぎると良くありません。体温が1度変わるだけで、代謝や免疫力にも影響があるのです。
また、インドや中東の食事はスパイス(香辛料)を用いたものが多いですよね。熱帯地方で香辛料を多用する辛い食べ物が好まれるのは、食べると血流が良くなり、体温も上がります。体温が上がると代謝も上がり発汗します。汗は体内に溜まった熱を皮膚から逃がしてくれる為、暑さをしのぐ方法にもつながります。
また、スパイスの多くは薬として使われていました。ジンジャーには発汗・殺菌作用、カルダモンには整腸作用、クミンやターメリックなどは消化促進・食欲増進などが期待できます。(刺激物が合わない人は控えるようにして下さいね)
インドや中東のスパイス売り場。量り売りで種類も豊富です。ヨーロッパではオシャレな瓶売りをしているお店もたくさん。
夏バテ予防にスパイスで食欲増進!キーマカレーとチャイの作り方
スパイスを使うとなんでもOKではありません。やはり食事バランスが大切ですので量よりも質を充実させる意識を持ちましょう。
やっぱりおススメしたいのがカレーです。
そう、カレーなのですが、夏の暑い日に煮込むのも大変なうえにどろっとして食べにくいですよね。そこで、煮込まない簡単キーマカレーを紹介したいと思います。
キーマカレー
【材料】2人分
- 豚肉ミンチ 150g
(合挽きでも可) - 玉ねぎ 1/2個
- 生姜のみじん切り 小さじ2
- にんにくみじん切り 小さじ2
- トマト缶ダイス 100g
- ゆでた枝豆 適量
- ブイヨン 1カップ
- カレー粉 大さじ1
- スパイス 適量
(クミン・コリアンダー・シナモン・チリパウダー)
【作り方】
- 玉ねぎはみじん切りにして、にんにく、生姜と共にサラダ油を引いたフライパンで、キツネ色になるまでじっくり炒める。
- ひき肉とカレー粉、スパイスを加えてひき肉に火が通るまで炒める。
- トマト缶、ブイヨンを加えて半量ぐらいまで水分を飛ばす。
- スパイスで味を整え、枝豆を散らし5分程火にかける。お好みで、ご飯又はナンと食べても美味しく頂けます。
トマトの缶詰を使っているので、スパイシーながらもさっぱりと食べる事ができます。
また、豚肉に含まれるビタミンB1は糖質をエネルギーに代謝する時に多く使われるので、たくさん摂取したいビタミンです。ビタミンB1が不足してしまうと、糖質がうまくエネルギーに変わらず、体が疲れやすくなってしまいます。また、気温が15度から35度に上昇すると、体内で消費されるビタミンB1が3倍になるといわれていますので、夏は他の季節よりビタミンB1をたくさん摂る必要があります。他にも、不足しがちなたんぱく質も、枝豆を加える事により、色どりだけでなくたんぱく質を摂る事ができます。
スパイスを使ったドリンクは、チャイ(インドのスパイシーミルクティー)がオススメです。
ロイヤルミルクティーにシナモン・カルダモン・ジンジャーなどを入れるだけで、簡単即席チャイの出来上がりです。
ホットで飲む事により冷房や冷たい食べ物で弱ったカラダを芯から温めてくれます。他に主な効能として・発汗作用・消化促進・代謝促進・血行促進などが挙げられます。熱いチャイをフーフー言いながら汗をかくのはいいことなんですね。重複しますが、夏バテ予防には日常の食生活が大切ですので量よりも質を充実させる意識を持ち、上手にスパイスなども活用していきましょう。
【健検公式テキストp45~】
辻ヒロミ(つじ・ひろみ)
管理栄養士・調理師/辻ウエルネスクッキング講師
大阪府出身、帝塚山大学卒。パリのコルドンブルー フランス料理終了。中ノ島プラザ・フレンチレストラン「ルミエール」で修行。雑誌メゾン、プチフールなどのメニュー、レシピ制作、栄養指導等務める。“家族の健康は家庭料理から”と100年続く料理の心と技を継承する。